質のいい服ってなんだろう…。というか、服なんて「値段が高いブランド・お店」=「質が高い」ということなんじゃないの?
もしそうなら、質の高い服を手に入れるためには高いブランドやお店から買うしかないのかな?
こんな疑問にお答えします。
まず、この記事の結論から言うと、値段が高いブランド=質の高いブランドではありません。
そして、「質の高い服を手に入れたい」とあなたが思っているのであれば、そういった服があるお店を知るよりも、まずは質を見抜く力を身につけた方が今後買い物の失敗はしにくくなります。
なぜなら、比較的質のいいお店でも、商品全部の質が良いかというと100%Yesとは言い切れないからです。
(もちろん全体的に品質が良いお店はありますよ)
価格が高いブランド=質が高いブランドではない
これはよくある誤解なのですが、金額が高いブランド・お店は全て質が高いかと言われるとそうではありません。
これはそういったお店・ブランドの販売価格に含まれる原価(企業が商品を売るためにかけるお金)の内訳を見れば丸わかりです。
ブランドとは~ブランドの正体~
ブランド、特にハイブランドと言われる高価格帯のものは、基本的にストーリーや歴史などの服の質以外の要素を付加価値として、服を売っています。
また、広告には超有名なモデルを起用するなどして、多額のお金をかけており、そういった広告費がブランドの商品の価格帯を上げている要因の一つです。
実際の機能(質の高さ)もそうですが、人がブランドを購入する理由にブランドの歴史や背景など形の無い部分に信頼・価値・憧れを感じている部分があります。こういった部分からも分かる通り、ブランドとして価格が高くても、商品としての質は必ずしも比例しないのが現実です。
服の質が高いという定義
「服の質が高い」と聞くとあなたは何を思い浮かべますか?
少し考えて見てください。
おそらく、重視するポイントは人それぞれだとは思いますが、大きく分けて2つあるとここでは定義します。
それは、生地の質と縫製の仕方です。
質の高い服を見抜くために意識するべき事
「生地の質」と「縫製の仕方」の2つの部分で、具体的に見るべきポイントはどのような部分でしょうか。
細かく見ていきましょう。
①生地の質
生地の質を見抜くには、まず特徴を知ることが大前提です。
服に使われる生地にはそれぞれメリットとデメリットがあるのです。
生地の種類の一覧は以下の通りです。
それぞれの生地にメリット・デメリットがちゃんとあるので、それらを知った上で買い物をするといいですよ。
「いや、繊維の種類多すぎでしょ笑」
と思った方、僕も同じです。笑
繊維のメリット・デメリットはそれぞれありますが、基本的には天然繊維を選べば間違いないです。天然繊維はケアは慎重に行う必要がありますが、僕個人としては天然素材を圧倒的に推します。
繊維の目の細やかさ
薄い生地でも、厚い生地でも「繊維の目が細かいかどうか」はかなり重要です。
繊維の目が大きく、荒い場合、洗濯によって伸びやすい可能性があります。
繊維の目の細やかさの確かめ方は一概に言えませんが、実際に手に取ってみて、サラサラの感触であれば品質が高い傾向にあります。
ザラザラやゴワゴワの感触であれば、生地の繊維が荒い可能性が高いので、一旦購入は見送りましょう。
(これらの見分け方は服のデザイン上そうなっている場合もあるので、一概には言えません。僕のファッションコンサルでは、実際の店舗でもこういった素材の見分け方も教えています。)
ファスナーの開閉の滑らかさ
安い服ほど、かなりの確率でファスナーの開閉時に引っかかります。
一種の基準でしかないですが、毎日着るものであれば、地味にファスナーの開閉がうまくいかないのはストレスになりますので、しっかり見ておきましょう。
店頭に並んでいる時点で既にシワやホコリがついている
新品の状態で服にシワやホコリがついているのは論外です。
こういった商品はできるだけ避けましょう。
②縫製の仕方(縫い方)
縫製にほつれや、縫い目のラインにずれがないかどうか
まず、縫い目にほつれがいくつか見受けられる部分があるのは、購入するのをやめたほうがいいいです。
ほつれがある時点で、そこの部分は強度が低い可能性があるので、着ているとそこから生地が破れることがあります。
縫い目のラインのズレは時々見かけますが、これも縫製の仕方が良いとは言えません。
ボタンの縫い付けがしっかりされているかどうか
ボタンは服の中でも、特に力がかかりやすい部分です。
実際に僕も少し安めのチェスターコートを買った時に、数ヶ月とたたずに取れてしまいました。
そのあとに、安めのチェスターコートの倍近い値段のコートを買いましたが、ボタンの縫製の強度がまるで違いました。
この強度の確かめ方は、ボタンを横にした時に見える縫い方で分かります。
僕の持っているコートを例に出すと、赤丸で囲まれたところが少し浮いているのが分かりますよね。
少し分かりづらいですが、ここがグルグル巻きで補強されているボタンはとれにくく、こういった縫製のコートは比較的長持ちしやすいです。
余談:服の質を見抜く上で、製造国はあまり当てにならない
「日本製は品質がいい」「中国製は品質が悪い」という事をよく耳にします。これは、確かに間違いではありません。
下記の記事でも言っている通り、日本製は比較的質が高いという認識は合っています。
ですが、「Made in Japan」「Made in china」などの表記を見た時に、「これ質いいじゃん」「あ、これ質悪いかも…」と製造国のみで判断してしまうのは、少しもったいないです。なぜなら、服の製造国の表記は「最後の製造工程を担った国」が表記されるからです。
例えば、ジャケットの場合。
ジャケットの生地の型を作成し、縫製までを中国で行い、日本でボタンだけを縫いつけて販売する場合は「日本製」の表記となります。
作業工程の8割は中国で行なっているにも関わらず、最終工程だけ日本で行われたため「日本製」の表記ということ。
こういった表記のルールがあるからこそ、製造国はアテにしすぎてはいけないという事です。
まとめ:服の質を見抜いて、買い物上手へ
高いブランド・お店ではなく、生地の質と縫製の仕方に注目しながら買い物をしてみてください。
世の中には、様々なお店やブランドがありますが、購入する際はちゃんと自分自身の考えを持って購入してください。
そうすることで、良いものだけを選ぶ力がメキメキついてきますよ。
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